「お米は日本が安い」──そんな常識が崩壊。なんと、日本で買うよりもアメリカで買う方が日本産のお米が安いという現象が起きているのということで、実際に日系スーパーを訪れてお米の価格調査してきました。
ロサンゼルスの日系スーパーで衝撃の価格を目撃!
ロサンゼルスにあるスーパーのお米売り場に行くと、ズラッと並ぶ日本のお米たち。カリフォルニア産コシヒカリはもちろん、北海道ゆめぴりか、あきたこまち、そして新潟県産コシヒカリ…と、日本でもおなじみの銘柄が勢ぞろいです。
滋賀県産 こしひかり
5kg USD20.99 (約3,044円 換算145円/USD)
宮城県産 ひとめぼれ
5kg USD19.99 (約2,899円 換算145円/USD)
秋田県産 あきたこまち
5kg USD20.99 (約2,899円 換算145円/USD)
新潟県産 こしひかり
5kg USD29.99 (約4,349円 換算145円/USD)
日本国内産 こしひかり
5kg USD17.99 (約2,609円 換算145円/USD)
北海道産 ななつぼし
5kg USD19.99 (約2,899円 換算145円/USD)
北海道産 ふっくりんこ
5kg USD25.99 (約3,769円 換算145円/USD)
北海道産 ゆめぴりか
5kg USD21.99 (約3,189円 換算145円/USD)
JA 栃木県産 こしひかり
5kg USD19.99 (約2,899円 換算145円/USD)
JAの米がアメリカでは驚きの価格で販売されています。
日本産 HOKKAIDO RICE (中華系スーパー)
5kg USD17.99 (約2,609円 換算145円/USD)
中華系スーパーでは販売されていた日本産の米です。
お店や時期によって変動はあるでしょう。しかし、どうでしょうこの価格!
一方、日本の価格は…
イオンネットスーパーでは
楽天市場では
日本のスーパーで最近お米を買われた方ならお分かりかと思いますが、例えば新潟産コシヒカリ5kgが4,000円を切る価格で手に入ることは、今の日本ではかなり難しいようです。むしろ、4,500円〜5,000円を超えることも珍しくありません。
なぜこんなことが起きるの?
なぜ、わざわざ海を渡って、輸送費や関税がかかっているはずの日本産米が、本国よりも安く手に入るのか。改めて、この謎を紐解いていきましょう。
日本とアメリカ間の契約価格
日本から輸出される米は、数か月~年単位の契約で価格が決まっていることが多く、国内価格の高騰がすぐには反映されません。
アメリカ市場の安定した供給と需要
米海外市場、特にアメリカでは、日本産米は高品質なブランド米として一定の需要があります。しかし、カリフォルニア産コシヒカリなど、現地で生産されるジャポニカ米との競争も激しく、輸出業者や現地の輸入業者は海外市場での競争力を保つために、日本国内とは異なる価格戦略をとっている可能性があります。
カリフォルニア産 錦 (NISHIKI)
6.8kg USD15.99 (約2,319円 換算145円/USD)
カリフォルニア産コシヒカリ もみじ (MOMIJI)
6.8kg USD19.99 (約2,899円 換算145円/USD)
カリフォルニア産 雪花 (SEKKA)
6.8kg USD16.99 (約2,464円 換算145円/USD)
日本の複雑な流通構造
日本の米の流通は、生産者からJA、卸売業者、そして小売業者へと、多くの段階を経ます。それぞれの段階で手数料や利益が上乗せされるため、最終的な小売価格はどうしても高くなりがちです。長年培われてきたこのシステムが、現代の市場の変化に対応しきれていないのかもしれません。
この現象が意味すること
今回の「価格逆転現象」は、単に「お米が安く買える」という話に留まりません。これは、日本の農業や流通システムが抱える課題、そしてグローバル経済の影響を色濃く反映していると言えるでしょう。
日々口にするお米の価格が、遠く離れた海外市場の方が安くなるという現実は、日本の消費者にとって、そして日本の農業の未来にとっても、深く考えるべき問題提起ではないでしょうか。
今後の米の価格や流通がどうなっていくのか、引き続き注目していきたいと思います。